物質が水に溶ける量 水に固体を溶かすには 水に固体を溶かすとき、早くたくさんとかしたい場合があります。そのときには、良くかき混ぜる、細かな粒のものを溶かす、水温を高くする(例外があります)、水の量を増やすなどの方法があります。
溶解度 食塩などの固体では水に溶ける量には、限りがあります。ある温度の水100gに溶かすことができる最大量を溶解度と呼んでいます。また、水に溶けるだけ溶かして、これ以上濃くならなくなるまで溶かした水溶液を飽和水溶液と呼んでいます。食塩とほう酸の各温度による溶解度は次の表のようなものです。
ですから、早くとかしたいとき、ほう酸の場合は水温を高くしてやると非常に早く溶けるようになることが予想できます。 また、ほう酸はこのように温度によって溶解度が大きく変化するため、温度の高い濃い水溶液を作り、その温度を下げることでたくさんの結晶を得ることができます。例えば、100℃の水100gに食塩とほう酸を溶けるだけ溶かしたものを、20℃まで温度を下げると、 食塩では 39.3−35.8=3.5g ほう酸では 38.0−4.9=34.1g それぞれ溶けきれなくなった固体が結晶となって現れてきます。このように、ほう酸では温度変化によって多くの結晶を得ることができますが、食塩ではそれほど結晶を取り出すことはできません。ですから食塩水の場合、結晶を取り出すには水を蒸発させることで対応します。 ちょっと読み物:塩田による製塩 気体の溶解度 気体が水に溶けるときは、水温が低いほどたくさんの気体が水に溶けます。ですから、ビンや缶に詰められた炭酸飲料が温かいとたくさんの炭酸のあわ(二酸化炭素のあわ)が発生します。逆に、良く冷やされた炭酸飲料ではあわはほとんど発生せず、口の中にふくむと、口の中で温められたくさんのあわができ、そして弾けて、あの清涼感(せいりょうかん)が感じられます。 塩酸などの水溶液でも、一度この水溶液を沸騰させると、水の中に溶けていた塩化水素は気体となって出て行ってしまいますから、後にはただの水が残ります。 このように、水温が高くなると、水に溶け込む気体が減ることは金魚などを飼っている水槽の中でも起こります。そのため、水槽は直射日光があたらない明るいところに置くことが推奨されています。それは、水温が高くなると、水に溶ける酸素の量が減り、中の魚の呼吸が困難になるからです。このような状態になると、魚は水面で口をパクパクとさせ、必死で水に酸素を溶け込ませて呼吸しようとします。 |