熱のはたらき 温度にともなって起こる体積変化
熱のはたらき
 熱を加えると起こることには、温度変化をはじめとして、体積変化、状態変化などがあり、場合によっては熱によって物質が分解してしまうこともあります。また、熱がきっかけになってはじめるものとしては、燃焼などもあります。
 参考:熱による分解 物の燃え方と炎の”木の蒸し焼”気体の発生法 その2の固体を加熱して気体を発生させる

熱による温度変化と状態変化
水の温度変化と状態変化
 固体の氷に熱を加えるとやがて液体の水になり、さらに熱を加えると気体の水蒸気に変わります。このように物質の状態が変わることを状態変化と呼んでいます。また、このように3つの状態に変化するため、三態変化とも呼ばれます。
 固体の氷を一定の割合で熱し、その温度の変化を調べると、次のようなグラフになります。
氷だけのときは常に0℃以下です
熱は温度変化だけに使われます
水と氷が混ざり合った状態では熱はすべて状態変化に使われるので温度変化は起こりません 水だけのときは熱は温度変化に使われます 100℃になると、水の中に水蒸気の泡が現れます
この現象を沸騰(ふっとう)と呼び、水の表面からの蒸発と区別しています

温度ともなって起こる体積変化
液体の体積変化
 普通の液体では、温度が上昇するとともに体積はほぼ一定の割合で増加します。
水の体積変化
 水はちょっと特殊な液体で、0℃から4℃までは温度の上昇とともに体積が減少します。そして4℃から温度が高くなるにつれて体積は増加していきます。この様子を簡単なグラフに示すと右のようになり、同じ重さの水で比べたとき、4℃の水が最も体積が小さいことになります。この体積が最少の水1000の重さを1kgとするのが、今のキログラムの定義のもとになったものです。
 水から氷になるときも体積の変化が見られます。氷になると、体積はおよそ1.1倍になります。これにより、膨張して軽くなった氷は水に浮くことになります。
 水から水蒸気になるときは、体積は非常に大きくなります。この膨張(ぼうちょう・体積が大きくなること)の力を利用したのが蒸気機関です。
気体の体積変化
 気体も熱によって体積が変化します。すべての気体の体積は、温度が1℃上昇するごとに、0℃のときの体積のほぼだけ変化します。
 ですから0℃273の気体が1℃になれば1体積が増えて274になるということになります。

固体の体積変化
 固体でも温度が高くなると体積が変化します。長さで現される全ての部分が温められると長くなります。特に注意を要する、ドーナツ型のものの体積の増加を示します。
温められると長さで現される全ての部分が長くなります。直径は大きくなり、穴の部分の直径”い”も大きくなります。またドーナツ型の部分の幅”あ”も広くなります。
 このドーナツ型の部分の幅”あ”が広くなると穴の直径である”い”の部分が小さくなるように思えますが、左の図のように穴は大きくなります。、

  

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