水溶液の性質 水溶液の中和 酸性・中性・アルカリ性 実験で使う薬品ではやってはいけないことですが、酸性とは食酢や果汁のようなすっぱい味のするものをいいます。そして、塩酸など強い酸では金属を溶かし、水素を発生させるのが酸性の液に共通した特長です。また、アルカリ性のものは、草木を燃やしたあとにできる灰を水に溶かした灰汁(あく)のような苦い味のするもので、酸性の液と混ぜると、お互いの性質を打ち消しあいます。酸性・アルカリ性どちらの水溶液も電気を通します。 中性の水溶液には、酸性・アルカリ性の水溶液が反応してできた電気を通す水溶液と、砂糖水やアルコール水のような電気を通さない水溶液があります。
酸性の液とアルカリ性の水溶液を混ぜると、前とは違った性質の水溶液ができてきます。例えば、ある濃さの水酸化ナトリウム水溶液30に塩酸20を加えると完全に中和したとします。このように、混ぜたとき中性になることを完全中和と呼んでいます。完全中和はある濃さの水溶液の間ではこの割合は常に成り立ちます。 ですから、この水酸化ナトリウム水溶液75を完全に中和するには、次のように一定の割合ですから比例式を立てると簡単です。
さて、このようにうすめた酸化ナトリウム水溶液75を完全に中和するのに必要な塩酸は何か?となると・・・
中和と新しくできる物質の関係 決まった量の水酸化ナトリウム水溶液に、塩酸を加え、水を蒸発させるとあとには白い固体が残ります。この固体は、混ぜてできた水溶液が、アルカリ性のときは水酸化ナトリウムと食塩が残ります。しかし、中性になったときと酸性になったときは、食塩だけが残ります。これは、水酸化ナトリウムがすべて使われて食塩に変化したからです。そして、酸性になったときでは、水を蒸発させるときに、酸性を示していた塩酸の成分である塩化水素が蒸発したからです。
リトマス紙 水溶液が酸性であるかアルカリ性であるかを簡単に見分けるには、リトマス紙を使います。 リトマス紙は、リトマスゴケという地中海沿岸や西アフリカの海岸に自生するコケの仲間の植物から取られた色素をアルコールにとかし、これに、少量のアンモニア水を加えて青くしたものと、少量の塩酸を加えて赤くしたものを、ろ紙に染み込ませて作ったものです。 |