水溶液とは
 水溶液は水に物質が溶けて、透き通って、どこも一様な濃さになっている液体をいいます。このような液体では溶けているものは、どろみずなどと違ってろ紙でこしとることはできません。
水溶液を作っているもの
 水溶液は溶媒(ようばい)と溶質(ようしつ)からできています。溶媒とは、ものを溶かしている液体をいいます。水溶液での溶媒は水となります。溶質は溶けているものをいいます。水溶液での溶質と溶媒の関係は次のようになります。
水溶液の名前 溶媒(ようばい・溶かしている液体) 溶質(ようしつ・溶けている物質) 性質
食塩水 食塩(塩化ナトリウム) 中性
砂糖水 砂糖 中性
水酸化ナトリウム水溶液 水酸化ナトリウム アルカリ性
塩酸 塩化水素 酸性
アンモニア水 アンモニア アルカリ性
炭酸水 二酸化炭素 酸性
ほう酸水 ほう酸 酸性
石灰水 消石灰(水酸化カルシウム) アルカリ性
重曹(じゅうそう)水 重曹(炭酸水素ナトリウム) アルカリ性

水溶液の濃さのあらわし方
 水溶液は水溶液全体の重さに対する溶けているものの重さの割合を百分率(%)で示します。
 15%の食塩水を例に、線分図を使って示します。
 はじめに百分率ですが、全体を100としたときどれだけになるかを示したものです。15%の食塩水ということは100のうち15が食塩、残りの100−15=85が水であることがわかります。結構これが大切です。線分図で示すと次のようになります。
 この図から15%の食塩水は食塩と水が15:85の割合でできていることがわかります。
例題 170gの水に何グラムの食塩を溶かすと15%の食塩水ができますか?
 意外とできない問題のようです。上の線分図の85に当たるのが170gと気がつけば15に当たるのは30gとわかるはずです。理科の計算はこのように水に溶かす量を考えることが多いので算数とはちょっと違って見えるようです。
 このように、水溶液の濃さをあらわす基本式
 水溶液の濃さ(%)=溶けているものの重さ÷水溶液全体の重さ×100
  これだけでは計算しにくいものが多いので注意しましょう。

水溶液のうすめ方
 水溶液をうすめるときは、水に水溶液を加えてうすめます。これは濃い水溶液に水を加えると激しく発熱して危険なものがあるからです。
 水溶液をうすめるのに必要な水の重さは次のように考えることもできます。
 普通の日本語で濃さを半分にすることを2倍にうすめるといいます。濃さを5分の1にしたければ5倍にうすめるといいます。この意味を考えてみましょう。
 15%の食塩水20gを3%にうすめるにはどうしたらよいでしょうか?濃さは15%から3%にするのですから、5分の1の濃さになるのがわかります。これを日本語では5倍にうすめるといいます。つまり20gの水溶液を水で5倍つまり20×5=100gにすればよいということです。ですからうすめるのに使う水の量は100−20=80gとなります。線分図で示すと次のようなものになります。つまり上の線分図の15が、うすめたとき3に当たるということです。ですから上の線分図と下の線分図で割合をあわせるには、下の線分図の数をすべて5倍に書き直してやればよいわけです。
この、濃さと全体の重さの関係を理解しておくと、濃度計算が良く理解できると思います。

  

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