植物の生長と物質の移動 葉の働き
 植物は光合成によって生活に必要な養分を生み出しています。光合成の様子を簡単に示すと次のようになります。
 上の図は工場にと比較すると良いかもしれません。葉緑体は工場、二酸化炭素と水は原料、生産物はでんぷん、そして酸素は?光合成だけを考えると産業廃棄物のようなものでしょう。もちろん生産品として酸素は呼吸に使われますね。
 さて、この光合成というでんぷんを作るシステムの生産工場である葉緑体は葉に多く存在します。葉にはこの葉緑体をたくさん持ち、光を受けるのに、そして原料の二酸化炭素を上手に供給し、できた酸素を効率よく排出する構造があります。その様子を、葉の断面を示すことで説明しましょう。右の図がそうです。
 葉は表面を表皮でおおわれ、気体は葉の裏側の表皮に多くある気孔から出入りします。そして、気孔のある葉の裏側の方の組織は気体が通り抜けやすいような、スポンジのような組織になっています。そして、葉の表面に近い側には葉緑体をたくさん持った細胞がぎっしりと並んでいます。
 さて、このように葉緑体の中で生産されたでんぷんは植物の体の中でどのように移動するかですが、植物の体の中での物質の移動は水にとかされての移動です。しかし、でんぷんは水に溶けません。ですから、でんぷんを水に溶ける糖に変えて水に溶かして運びます。
 葉で糖に変えられたでんぷんは、葉では葉脈、上の図の中央部の管の部分ですが。ここを通って茎へ運ばれ、さらに体の各部へと運ばれていきます。

  

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