生物と環境 光による植物の住み分け

森林の様子
 森林の様子を模式的に示すと、基本は右の図のようになります。
 自然は、養分を作ることができない部分には無駄な枝や葉をつけておくことを許しません。
 それは、光が十分に当たらない所では、養分を使うだけになってしまうからです。
 そして、森林の中央部の樹木は森林の端にある樹木と比べて少ない光しか得られませんから、光をたくさん受けるためにまわりの木よりも背丈を伸ばすことに養分をつぎ込んでいるのです。
 このように、高木(こうぼく)によって,まわりを取り囲まれた森林内の地面には直射日光があたりません。また、風も通り抜けにくくなります。
 このことは、森林の内部の乾燥を防ぎ、常に十分な水分がある状態に保つことができます。
 ただし、森林内部では光の量が少ないので、少ない光で生活できる植物だけが生育することができます。

生育に必要とする光の量による植物の分類
★生育のためにたくさんの光を必要とする植物・・・陽生植物
 弱い光の中では、光合成によって養分を十分に作れないので枯れていってしまう植物です。ほとんどの一年生植物と砂漠に生える植物、高山植物でも山頂付近に育つ植物などが代表的なものです。
 ふつう、日当たりの良い場所は風通しもよく、土地が乾燥しやすいので陽生植物は乾燥に強いものが多いです。
代表的な陽生植物
樹木 アカマツ、シラカンバ (その他にヤシャブシ、アカメガシワ、クサギ、ウツギ)など。
草本 ススキ、シバ、タンポポ、ナズナ、ニシキソウ、エノコログサなどの草原や日当たりの良い所に生える雑草など

★生育のためにあまりたくさんの光を必要としない植物・・・陰生植物
 弱い光の中でも、十分な光合成ができるので森林内部の薄暗い所でも生育できる植物です。森林内部に生育する下草や低木などが代表的なものです。
 これらの植物は、森林内部の気温があまり変化しないことと、十分な水分が常にあることから、乾燥に弱く、直射日光が当たると枯れてしまうものが多いようです。
代表的な陰生植物
樹木 アオキ、ヤブツバキ、ネズミモチ、(その他にはヒサカキ、アリドオシなど常緑広葉樹木など)
草本 ドクダミ、シュンラン、シャガ、ミズヒキなど、ほかにはカンアオイ、ジャノヒゲ、キチジョウソウ、フッキソウ、カンスゲ、イノデ、ヤブソテツなどの常緑植物

  

inserted by FC2 system